文京区マンションのカビ検査で判明した空気汚染の実態
2026/05/19
目次
はじめに|「家に帰ると咳が出る」その違和感を放置してはいけない理由
「家に帰ってくるとなぜか咳が出る」「子どもが帰宅するたびに体調を崩す」という経験が、もし日常的に繰り返されているなら、その家の空気環境を疑うべきかもしれません。
今回ご依頼をいただいたのは、東京都文京区にお住まいのご家族。中古マンションを購入してから約1年が経過したころ、ご主人とお子様が帰宅後に必ずといっていいほど咳が出るようになったといいます。奥様は同じ空間にいても特に症状はなし。この「差」こそが、調査を進めるうえで重要な手がかりになりました。アレルギーをお持ちのご家族にとって、空気中を漂うカビの胞子は非常に深刻な健康リスクになり得ます。目に見えない問題だからこそ、科学的な検査データで現状を正確に把握することが大切です。
このブログでは、カビバスターズ東京が文京区で実施したカビ調査の一部始終を詳しく紹介します。調査で何がわかり、どのような対策が必要とされたのか、その流れをすべて公開します。
物件概要と調査に至った背景
築22年・鉄筋コンクリート造マンションが抱える宿命的な問題
今回の対象物件は、東京都文京区に立地する築22年の鉄筋コンクリート(RC)造マンション。中古物件として購入され、現在のご家族が居住されています。
鉄筋コンクリート造の建物は、木造に比べて気密性・断熱性が高い反面、内部に湿気が溜まりやすいという特性があります。外気温と室内温度の差が大きい季節には、壁や窓周辺に結露が生じやすく、これが長年にわたって繰り返されることで、目に見えないところにカビが蓄積していくケースが少なくありません。
築20年を超えると、建材の劣化や配管の経年変化、コーキング材の収縮・剥離など、様々な問題が複合的に現れてきます。購入時の内覧では問題がないように見えても、生活を始めてから初めて気づく不具合もあります。今回のケースはまさにそれに当てはまりました。
「夫と子どもだけ体調不良」という異変が示したもの
注目すべき点は、同じ空間に住んでいながら、症状が出る人と出ない人がいたことです。ご主人とお子様は帰宅後に咳が出るが、奥様には症状がない。この非対称性には、いくつかの可能性が考えられます。
まず、アレルギーの有無や個人の免疫状態の違いが挙げられます。カビの胞子に対する感受性は人によって大きく異なり、同じ濃度の胞子を吸い込んでも、アレルギー体質の方はより強く反応します。
次に、帰宅の時間帯や行動パターンの違いも考慮する必要があります。帰宅後に特定の部屋を使う頻度、換気の習慣、家の中での動線など、細かい行動の差が症状の有無に影響することがあります。こうした背景を踏まえ、カビバスターズ東京では4種類の検査を組み合わせた総合的なカビ調査を実施することになりました。
実施した4つの検査内容と目的
①落下菌検査|空気中のカビ汚染レベルを部屋ごとに可視化する
落下菌検査は、一定時間内に空気中から培地に落下した菌を培養・計測する方法です。各部屋のどのエリアで菌の濃度が高いかを面的に把握できるため、汚染源の特定に非常に有効です。
今回は室内30か所で落下菌検査を実施しました。リビング・寝室・子ども部屋・キッチン・浴室周辺・廊下など、生活空間全体をカバーする形で検査ポイントを設定しています。30か所という規模の調査は、部屋ごとの汚染分布を詳細に把握するうえで十分なデータ量です。
落下菌検査の結果は、菌のコロニー数として数値化されます。部屋ごとに数値を比較することで、「どこが特に汚染されているか」「汚染が特定のエリアに集中しているか、あるいは全体に広がっているか」を客観的に判断できます。
②付着菌同定検査|壁・床・天井に潜むカビの「種類」まで特定する
付着菌同定検査は、表面に付着している菌をサンプリングし、その種類(菌種)まで特定する検査です。今回は3か所で実施しました。
この検査の大きな特長は、「カビがいる・いない」だけでなく、「何というカビがいるのか」まで判明することです。たとえばクラドスポリウム(黒カビの一種)、アスペルギルス、ペニシリウムなど、菌種によってアレルギーや健康への影響は異なります。アレルギー体質の方が特定の菌種に強く反応しているケースもあり、治療方針を考えるうえでも重要な情報となります。
目視では確認できない壁の内側や床下の菌叢も、サンプリングを工夫することで部分的に把握できます。「カビ臭はするのに見た目ではわからない」という状況での真菌検査として、付着菌同定検査は非常に有効な手段です。
③含水率検査|フローリングや壁材の水分量で「濡れている場所」を探す
含水率検査は、建材に含まれる水分量を専用の計測器で測定する検査です。カビが繁殖するためには水分が不可欠であり、含水率が高い部分はカビの温床になりやすいとされています。
今回のマンションカビ調査では、フローリング全体を対象に含水率を測定しました。結果として、最も高い数値を示した箇所でも16.7%でした。一般的にフローリングの含水率の正常値は15〜18%程度とされており、今回の数値は正常値の範囲内です。つまり、床材から直接カビが繁殖しているという根拠は、今回の検査では確認されませんでした。
この結果は「問題なし」ではなく、「フローリング自体が水分を過剰に含んでいるわけではない」という意味にとどまります。カビの汚染源が床以外にある可能性を示唆するデータです。
④負圧検査|室内が負圧になると壁内・床下の汚染空気を引き込む
負圧検査とは、室内の気圧が外部や建物内部に対して低くなる「負圧状態」を確認する検査です。
最もわかりやすい例がキッチンの換気扇です。換気扇を回すと室内の空気が屋外に排出され、室内の気圧が下がります。このとき、気密性が十分でない建物では、給排水管の隙間・コンセントの裏側・インターホンや配電盤の取り付け部分など、あらゆる微細な隙間から外気や壁内の空気が室内に引き込まれます。
問題は、壁の内部や床下は換気が行き届かず、湿気が溜まりやすい環境であるという点です。そのような場所の空気には、カビの胞子や菌が含まれている可能性があります。換気扇を回すたびに、そうした汚染された空気が室内に引き込まれ続けるとすれば、居住者が気づかないうちに有害な菌を日常的に吸い込んでいることになります。
調査で明らかになった「意外な原因」
含水率・負圧ともに正常値なのに、なぜ検査結果は悪かったのか
含水率も負圧も正常範囲内だったにもかかわらず、落下菌検査および付着菌同定検査の結果は好ましくない水準でした。この「矛盾」を解く鍵になったのが、窓枠の状態でした。
調査中、窓枠の下部に隙間があることが確認されました。その箇所で計測した風速は0.55m/sです。この数値は、外気が継続的に室内に流入している状態を示しています。
一見すると「換気されているなら問題ないのでは」と思われるかもしれません。しかし実際には、この隙間から入り込む外気は温度・湿度のコントロールを受けていない未調整の空気です。特に梅雨時や夏場は、高温多湿の外気が冷房で冷やされた室内に流入することで、窓周辺や壁面に結露が生じやすくなります。
築22年という年月が生んだ「複合的な劣化」
築22年という年月の中で、コーキング材の収縮や窓枠の歪みが少しずつ進行し、気密性が低下していた可能性があります。中古マンションの場合、前の居住者の生活様式や管理状態が現在の環境に影響を与えていることも珍しくありません。
また、鉄筋コンクリート造の建物は築年数が経過すると、コンクリート内部の微細なクラック(ひび割れ)から水分が浸透してくるケースもあります。こうした複合的な劣化が、今回の空気汚染の遠因になっていると考えられます。
購入から1年では、前の所有者時代から蓄積されていた問題が表面化してくるタイミングでもあります。特にカビは一度壁の内部や建材に根を張ると、表面を清掃しただけでは解決せず、菌糸まで除去する専門的な対応が必要です。
落下菌検査・付着菌同定検査を深掘りする
落下菌検査が「見えない汚染地図」を作る仕組み
落下菌検査は、培地を入れた容器を所定の場所に設置し、一定時間(15分程度)その場所の空気にさらした後、培養して菌の数をカウントするものです。
この検査の優れた点は、目視では確認できない浮遊菌の分布を数値で示せることです。たとえば「リビングの南東コーナーの菌数が他のエリアの3倍以上」といったデータが得られれば、そこを中心に汚染源を探索できます。
今回30か所という多点測定を行ったのは、汚染の濃淡をより精度高くマッピングするためです。単純に「室内にカビがある・ない」ではなく、「どこに、どの程度」という情報が、今後の対策範囲や優先順位の決定に直結します。
付着菌同定検査がアレルギー対策に欠かせない理由
付着菌同定検査は、スワブ(綿棒のような採取器具)や採取テープを使って表面の菌をサンプリングし、専門の検査機関で菌種を同定するものです。この検査によって、空間にどの種類のカビ・菌が存在するかが明確になります。
アレルギー体質の方にとって、これは非常に重要な情報です。アスペルギルス属やクラドスポリウム属、ペニシリウム属など、主要なアレルゲンとなるカビ菌種が特定されれば、医療機関でのアレルギー検査との照合や、生活上の注意事項を具体化できます。
「なんとなく体調が悪い」「アレルギーがあるのに原因がはっきりしない」という状況は、付着菌同定検査による真菌検査のデータがあることで、大きく状況が変わります。根拠のある対策が取れるようになるからです。
付着菌同定検査で明らかになった菌種
付着菌同定検査は、表面に付着している菌をサンプリングし、その種類(菌種)まで特定する検査です。今回は3か所でサンプリングを実施し、検査の結果、合計7種の真菌が確認されました。
確認された菌種は以下のとおりです。
Aspergillus属3菌種(アスペルギルス属) 世界中の土壌・空中・貯蔵穀物などから高頻度に分離されるカビで、腐敗や劣化の原因となることがあります。今回はAspergillus niger(ニガー)・Aspergillus flavus(フラバス)・Aspergillus candidus(キャンディダス)の3種が確認されました。アレルギー反応や感染症を引き起こす可能性があるため、アレルギー体質の方には特に注意が必要な菌種です。
Penicillium属菌種(ペニシリウム属・アオカビ) 500種を超える大きな菌群で、一般的にアオカビと呼ばれます。湿度が高い環境で発生・飛散しやすく、長期間生き残る性質を持っています。集落は主として緑色を呈し、室内の湿気管理が不十分な場所に増殖しやすい菌種です。
Mucor属菌種(ムコール属・ケカビ) 白い毛髪状に生育し、やがて白色・淡黄色・淡灰色へと変化します。発育が速く、ムコール症の原因菌の一つでもあります。ケカビとも呼ばれ、世界中に普遍的に分布しています。
Cladosporium属菌種(クラドスポリウム属・クロカワカビ) 黒色真菌群の一つで、自然界に広く存在し約170種が報告されています。空中に埃として最も多く浮遊する汚染・劣化の代表的なカビです。高湿・低湿・乾燥に対する抵抗力が強く、擦った程度では容易に除去できないのが厄介な点です。
Geotrichum属菌種(ゲオトリクム属) 自然界に広く分布する酵母で、ミルク腐敗カビとも樹液酵母とも呼ばれます。人間や動物の皮膚・粘膜に感染する可能性があり、免疫力の低下した方には注意が必要です。
Rhizopus属菌種(リゾプス属・クモノスカビ) クモの巣状の灰色〜褐色を呈するカビで、湿性環境に多く分布します。発育が速く多量の胞子を産生するため、鼻炎や喘息の原因となる室内空気中の真菌の一つとして知られています。
Trichophyton rubrum(トリコフィトン・ルブラム・紅色白癬菌) ヒトに寄生して生育する白癬菌の中で最も多く検出される菌種です。足底・足指の間だけでなく、体部にも発症する白癬菌の代表的な菌です。住居内で検出された場合、居住者のいずれかへの感染源となっている可能性も否定できません。
これほど多種多様な真菌が一つの住居内で同時に確認されたことは、空気環境が複合的に汚染されていることを明確に示しています。アレルギー体質のご家族にとって、複数の菌種に日常的にさらされる環境は深刻なリスクとなります。付着菌同定検査があることで、「何というカビが、どこに存在しているか」という根拠あるデータに基づいた対策が初めて可能になります。
今回の調査結果が示した今後の方向性
瑕疵の修繕と本格的なリフォームの検討
検査の結果を踏まえ、今回の依頼主のご家族は、窓枠の隙間など構造的な瑕疵の修繕を含めた本格的なリフォームを検討されています。築22年を超えた物件では、表面的なリフォームだけでなく、建材や内装材のカビ汚染状況を把握したうえで、必要に応じて内部の洗浄・防カビ処理を組み合わせることが重要です。
単に内装を張り替えるだけでは、下地や躯体に残ったカビ菌が再繁殖するリスクがあります。リフォーム前にカビ検査で現状を把握し、カビの専門業者と連携した施工計画を立てることが、長期的に健康な住環境を維持するための近道です。
「見えないカビ」を見える化する専門検査の価値
今回のケースで最も重要だったのは、含水率や負圧が正常でも、菌検査では問題が見つかったという事実です。これは、目視点検や一般的な住宅診断では気づけなかった問題を、専門的なカビ調査が初めて可視化したことを意味します。
「特に目立ったカビは見当たらない」「業者に見てもらったが問題ないと言われた」という状況でも、空気中の菌数や付着菌の同定結果が悪い場合、それは確かな問題の存在を示しています。体調不良が続いているなら、一度専門的なカビ調査・真菌検査を受けることを強くお勧めします。
築20年超マンションを購入した方へ|知っておくべきカビリスク
中古マンションの購入は、立地・価格・間取りなど多くのメリットがある一方、築年数に伴うリスクも抱えています。特にカビに関しては、以下のような点に注意が必要です。
前の居住者の生活習慣(結露対策の有無、換気の頻度、水回りの管理状況など)が、現在の壁や床のカビ汚染状況に直接影響しています。購入前のインスペクションでは見落とされがちなのが、壁の内部や天井裏などに潜むカビです。
また、築20年を超えるとコーキング材の劣化が進み、窓周辺や巾木の隙間や入隅などから湿った空気を引き込んでしまいます。今回の案件のように、窓枠の隙間から外気が流入するようになることも珍しくありません。
購入から数か月〜1年で体調不良が現れるケースは、潜在的なカビ問題が新生活の中で表面化したと考えるのが自然です。早い段階でカビ検査・カビ調査を実施し、問題の有無と範囲を把握することが、健康被害の拡大を防ぐうえで最も有効です。
カビバスターズ東京のカビ調査・カビ検査が選ばれる理由
カビバスターズ東京は、東京都全域・神奈川・埼玉・千葉・山梨・茨城の関東全域で、住宅・マンション・商業施設のカビ調査・カビ検査・カビ除去に対応しています。単に「カビを落とす」だけでなく、落下菌検査・付着菌同定検査・含水率検査・負圧検査など、科学的な検査データに基づいた問題の根本把握から施工まで、一貫してサポートできる点が強みです。特に、マンションカビやアレルギーとカビの関係でお悩みの方、築年数が経過した物件での健康不安をお持ちの方からのご相談を多くいただいています。データを示しながら丁寧に現状をご説明し、最適な対策をご提案します。
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