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八王子市古民家の床下カビ調査と布基礎の実態

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カビバスターズ東京

八王子市古民家の床下カビ調査と布基礎の実態

2026/05/22

目次

    「家の中がカビ臭い」と感じたら、まず床下を疑ってください

    「何となくカビ臭い気はしていたけど、どこから来ているのかわからない」

    そういったご相談は、毎年一定数いただきます。特に築年数の古い住宅では、目に見えない床下が長年にわたって湿気を溜め込み、住人が気づかないまま深刻な状態になっているケースが少なくありません。

    今回ご紹介するのは、東京都八王子市にある築80年以上の古民家での床下カビ調査の記録です。床面積は130㎡を超え、長年家族で大切に住み継いできたお宅でした。「最近、部屋の中がカビ臭い」というお悩みをもとに、当社カビバスターズ東京へご連絡をいただき、現地調査に伺いました。

    八王子市を中心とした多摩地域は、山に囲まれた盆地状の地形が多く、気温の寒暖差が大きい地域です。その地形的な特性から床下に湿気がこもりやすく、古民家ではとりわけ注意が必要なエリアのひとつです。調査にかかった時間は約4時間。そこで明らかになったのは、想像以上に進行していた湿気とカビの問題でした。

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    八王子市・古民家での床下カビ調査の概要

    現地到着時点でわかったこと

    築80年以上という数字を聞いた時点で、まず頭に浮かんだのが「布基礎」でした。布基礎とは、建物の外周部や柱の下部に沿って連続して打たれるコンクリートの基礎形式で、高度経済成長期以前の木造住宅では最も一般的な工法です。ベタ基礎(床下全面にコンクリートを打つ工法)と異なり、地面が露出した状態になるため、地中から水分が直接上がってきやすい構造です。

    お客様にヒアリングしながら床下点検口を開けると、最初に鼻をついたのが湿った土のにおいでした。カビを含んだ湿気特有の、重く濁った空気が床下から漂ってくるのを感じた瞬間、問題の根深さを直感しました。

    防湿シートと調湿剤の状態

    床下を確認すると、布基礎の上に防湿シートが敷かれていました。防湿シートは、地面からの水蒸気の上昇を抑えるために敷設するもので、床下の湿気対策としては基本的な施工のひとつです。

    しかしそのシートの上には、調湿剤が大量に置かれていました。調湿剤とは、シリカゲルやゼオライトなどの素材を袋に詰め、床下の湿度を吸放湿によって調整することを目的とした製品です。設置されてから10年以上が経過しているとのことで、表面は黒ずみ、汚れが堆積していました。

    また、防湿シートが敷かれていない箇所も複数確認されました。施工当時に手が届きにくかった隅の部分なのか、あるいは後から部分的に補修したものなのか、正確な経緯はわかりません。ただ、シートがない部分から地面の湿気がそのまま上がってきている状態は明らかで、意図的かどうかに関わらず「手抜き工事の可能性がある」と判断せざるを得ない状況でした。

    含水率検査で判明した数値の深刻さ

    大引きの含水率が示すもの

    床下カビ調査と並行して、含水率検査を実施しました。含水率とは、木材の乾燥重量に対する水分量の割合のことで、木材の健全性を判断する重要な指標です。一般的に、木材の含水率が20%を超えると腐朽菌やカビが繁殖しやすい環境になり、30%を超えると腐食のリスクが急速に高まるとされています。

    今回の調査では、大引き(床を支える横材)の含水率を複数箇所で測定しました。結果として、多くの箇所で30%を超えており、最も高い箇所では41.8%という数値が計測されました。

    これは、木材として機能するギリギリの限界に近い水分量です。長年にわたって湿気にさらされ続けた結果、木材の内部まで水分が浸透している状態です。

    白アリによる腐食も確認

    さらに深刻だったのは、大引きの一部が白アリに食われて腐食していた点です。白アリは湿気の多い環境を好み、含水率の高い木材は格好の標的になります。今回のように防湿シートが部分的にしか施工されておらず、長年にわたって湿気が放置されてきた床下は、白アリにとって非常に住みやすい環境といえます。

    白アリによる食害は、表面からは判断しにくいことが多く、叩いてみると空洞音がしたり、指で押すと崩れるほど内部が侵食されていたりするケースがほとんどです。今回もそうした状態が一部確認され、構造材への影響が出始めている状況でした。

    調湿剤の限界と「根本解決」の話

    シリカゲル・ゼオライトにできることとできないこと

    床下の湿気対策として、調湿剤(シリカゲルやゼオライトを主成分とした製品)が広く使われています。ホームセンターでも手軽に購入できることから、DIYで対処しようとする方も少なくありません。

    確かに調湿剤には一定の効果があります。湿度が高い時に湿気を吸収し、低い時に放出するという吸放湿の機能は、床下の湿度を一定範囲に保つうえで有効に働きます。

    しかし、調湿剤の最大のデメリットは、湿気の「原因そのもの」を取り除く対策ではないという点です。

    たとえば今回のケースのように、地面から水分が継続的に上がってきている場合、あるいは床下の換気が構造的に不十分な場合、調湿剤を追加したり交換したりするだけでは、根本的な改善にはつながりません。吸い続けることで調湿剤は飽和状態になり、やがて機能を失います。それどころか、放湿の段階で逆に湿気を放出し、状況を悪化させる可能性すらあります。

    今回確認した床下の調湿剤は、10年以上交換されていない状態でした。すでにその機能を果たしているとは言い難く、むしろ「対策をしているという安心感」だけが残り、本来必要な根本的な工事が先送りにされてきた可能性があります。

    湿気の原因は複数あることを知ってほしい

    床下に湿気が発生する原因は、ひとつではありません。主なものとして以下が挙げられます。

    ・地盤そのものに水分が多い(地下水位が高い土地、かつての湿地や水田地帯など)

    ・防湿シートが未施工、または劣化・破損している

    ・床下換気口が少ない、あるいは塞がれている

    ・雨水が基礎の外から浸入している

    ・配管の結露や水漏れが起きている

    これらを特定しないまま調湿剤だけを設置・交換しても、その効果は一時的なものにとどまります。特に古民家の場合、当時の施工基準や工法が現在とは大きく異なるため、専門家による調査が不可欠です。

    古民家の床下カビ調査で必要な視点

    築年数が古いほど「前提」が違う

    現在の木造住宅の多くはベタ基礎で建てられており、床下全面にコンクリートが打たれているため、地面からの湿気の影響を受けにくい構造になっています。一方、戦前・戦後に建てられた古民家の多くは布基礎を採用しており、地面が露出したままの状態です。

    建築基準法が整備される以前の建物には、現在の法規が求める換気口の数や防湿措置が施されていないケースがあります。そのことを前提に「今の状態がどうなっているか」を丁寧に確認していくことが、古民家の床下調査では特に重要です。

    古民家の床下カビ調査でチェックすべきポイント

    古民家の床下調査で確認すべき主なポイントは以下のとおりです。

    ・基礎の種類(布基礎かベタ基礎か)

    ・防湿シートの有無、劣化状態、施工範囲

    ・換気口の数と位置、塞がれていないか ・土台・大引き・根太の含水率と腐朽状況

    ・白アリや害虫の痕跡の有無 ・床下空間への雨水の浸入痕 ・調湿剤の設置状況と劣化度合い

    これらを総合的に確認することで、「どの程度の問題が起きているか」だけでなく「なぜそうなったか」を特定できます。原因が特定できれば、必要な対策の内容と優先順位が定まります。

    真菌検査との組み合わせ

    床下カビ調査においては、目視と含水率検査だけでなく、真菌検査を組み合わせることで、カビの種類や胞子の量を科学的に把握することができます。真菌検査によって、実際にどの程度の濃度でカビ胞子が浮遊しているかを数値化できるため、問題の深刻度を客観的に示すことができるうえ、対策後の効果確認にも活用できます。

    目視だけでは「カビがあること」はわかっても、「どのくらい深刻か」「対策後に改善したか」を判断する根拠が曖昧になりがちです。真菌検査の数値があることで、お客様への説明も具体的になり、施工前後の変化を明確に示すことができます。

    多摩地域・八王子市での床下カビ問題の特徴

    多摩地域は東京都の西部に位置し、八王子市・町田市・立川市・日野市・多摩市などが含まれます。西東京エリアとも重なり、山間部や丘陵地帯が多いことから、地形によって湿気のたまりやすさに大きな差があります。八王子市内でも、浅川や多摩川の流域に近いエリアや、かつて田んぼや湿地だった土地に建てられた住宅は、地下水位が高く、床下に湿気が上がりやすい傾向があります。こうしたエリアでは、布基礎の古民家において床下カビの発生リスクが特に高く、調湿剤や換気だけでは対処しきれないケースも少なくありません。また、多摩地域は夏の高温多湿と冬の冷え込みの差が大きく、床下に発生した結露がカビの原因になりやすい気候条件でもあります。古民家を大切に保全しながら住み続けるためには、床下の状態を定期的に専門家に確認してもらうことが、長い目で見た建物の維持管理に直結します。

    今回の床下カビ調査のまとめ

    今回の八王子市の古民家での床下カビ調査・含水率検査で確認された主な問題点を整理します。

    ・布基礎の床下において、カビ臭を含んだ湿気が充満していた

    ・防湿シートが敷かれていない箇所が存在し、地面からの水分上昇が起きていた

    ・設置から10年以上経過した調湿剤は機能を果たしておらず、劣化が著しかった

    ・大引きの含水率は多くの箇所で30%超え、最高で41.8%を記録

    ・白アリによる腐食が一部の大引きに確認された。

    これらは、いずれも一朝一夕で解決できる問題ではありません。含水率が30%を超えた構造材は、適切な乾燥と状況によっては交換が必要になります。白アリの被害が確認された場合は、防蟻処理も検討する必要があります。そして何より、湿気の根本原因を特定し、防湿シートの再施工や換気の改善といった根本的な対策を講じることが、再発を防ぐうえで不可欠です。

    近年は温暖化の影響も見逃せません。夏の平均気温の上昇と、それに伴う湿度の高い期間の長期化によって、床下環境はかつてより過酷になっています。築80年以上の古民家は、建てられた当時の気候を前提に設計されており、現在の夏の蒸し暑さには対応できていないケースがほとんどです。多摩地域でも、以前は問題なかった床下が近年になって急に湿気やカビの被害を受けるようになったという相談が増えているのは、こうした気候変動と無関係ではないと考えています。

    「カビ臭いな」と思いながら何年も過ごしてきたお客様が、調査後に「こんなにひどい状態だったとは知らなかった」とおっしゃることは、珍しくありません。見えない床下の中で、問題は静かに、確実に進行しています。

    古民家の床下カビ調査は、経験のある専門家に

    布基礎・防湿シート・含水率・白アリ・換気不足etc

    古民家の床下問題は、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。それぞれの要因を正しく切り分け、優先順位をつけて対処するには、豊富な現場経験が必要です。

    カビバスターズ東京は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県・茨城県を中心に、多数の古民家・戸建て住宅の床下カビ調査・カビ対策施工を手がけてきました。調査から施工、アフターフォローまで一貫して対応しており、調査結果をもとに必要な対策を丁寧にご説明します。「どこに頼めばいいかわからなかった」というお声もよくいただきます。迷ったら、まず相談してみてください。

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    執筆・監修:カビバスターズ東京(株式会社ワールド)

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